時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ヘイトスピーチ規制は韓国側にも両刃の剣

 舛添東京都知事が、韓国の朴大統領からヘイトスピーチ対策の要望を受けたことが発端となって、日韓外相会談でも、岸田外相が自民党内での対策検討を説明する事態となりました。
 
 舛添知事や韓国側が思い描くヘイトスピーチ規制とは、日本人による在日韓国人に対するヘイトスピーチです。想定しているのは、デモやネット上の過激な発言なのでしょうが、仮に、この要望を実現するとすれば、刑法を改正し、新たにヘイトスピーチ罪を創設する必要があります。ところが、ヨーロッパ諸国に見られるヘイトスピーチ規制も、ユダヤ人に限定して批判を直接に禁じるものではなく、憎悪行為一般を禁じることで、間接的に取締を実施しています。国際法では、人種差別や民族差別…を禁じていることもあり、特に刑法分野においては、特定の民族を特別扱いすることはできないのです。また、日本国は、在日韓国・朝鮮人を虐殺した過去はありませんので、この問題を、ナチスによるユダヤ人迫害のケースと同列に論じることもできません。ですから、日本国においても、在日韓国人に向けられたヘイトスピーチだけを取り締まる刑法改正は凡そ不可能なのです。つまり、仮にヘイトスピーチ規制のために刑法が改正されても、それは、在日韓国・朝鮮人にも適用されることになります。
 
 舛添知事や韓国の思惑とは逆に、ヘイトスピーチ規制が行われますと、真っ先に逮捕されるのは、日本人に対してヘイトスピーチを行った在日韓国・朝鮮人ということもあり得ます。ヘイトスピーチ規制は、日本国に対して憎悪をむき出しにしてきた韓国側にとりまして、両刃の剣となるのではないでしょうか。
 
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