時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:人類はミラーニューロンを一生涯維持できるよう進化している

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。これまで、「① オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっている」、「② 他者から略奪して配る猿が、‘偉い猿’である」というチンパンジー社会における2つの特徴が、内閣改造問題にも観察される点について述べてきました。
 
内閣改造のあるべき目的は、チンパンジー社会における‘人事’ならぬ‘猿事’にあるのではなく、ポストに適した能力のある人材を登用することによって、よりよい施策を策定し、施行することにあることは、論を待ちません。逆に言いますと、チンパンジー社会の特徴が観察されるような人事は、‘非人間的’な人事であると言うことができるのです。
 
 では、人間の人間たる所以は、どこにあるのでしょうか。再び、ミラーニューロンという神経細胞の役割について考えてみることにしましょう。8月26日付本ブログにて、以下の点を指摘させていただきました。
 
人類には、他者との共感性を可能とさせるミラーニューロンという神経細胞を生涯持ち続けるという特徴がある。類人猿にも、幼児期にはミラーニューロンは存在しているものの、大人の猿になるまでには消滅する
 
人類は、類人猿から進化しているのですが、進化前と進化後の大きな違いは、人類が、ミラーニューロンを生涯持ち続けることができるようになっていることにあるのです。進化が、適者生存によるものでしたならば、人類がミラーニューロンを生涯持ち続けることができるように進化していることには、人類の命運にとりまして、大きな意味がある可能性を指摘することができるのです。そして、この問題は、人類の人類たる所以の謎を解くヒントとなってくると考えることができるのです。
 
(続く)
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