時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

絶望的に非論理的な韓国の言い訳-証拠は元慰安婦の存在

 来年に日韓国交回復50周年を控え、韓国側は、対話の再開を示唆する一方で、慰安婦問題の解決を条件とする方針は引き下げてはいないようです。河野談話の作成過程が再検証され、加えて、朝日新聞社が虚報を認めたことで、韓国の主張の基盤は崩壊寸前となっているのですが、なおも、”証拠は慰安婦の存在”と強弁しています。
 
 韓国政府の報道官は、この件に関して、「証言もあり、証拠もあり、満天下(全世界)が知っている。万人が知っていることは証明する必要がない。これは、一般法原則だ。ローマ法以来、伝わってきた法則だ。衆知の事実は証明する必要がないということだ。」と述べています。この報道官が、ローマ法を理解しているとは思えないのですが、少なくとも、ローマ法では、偽証は重大な罪でした(「信義(fides)を重視したローマ人は偽証を大変嫌い,買収された証人・悪意の証人はタルペイア岩頭からさかさまに落とされた。」)。むしろ、慰安婦の存在が、証拠とならない事こそ、”証明する必要がない周知の事実”というものです。人の存在そのものと、その人の発言の真偽は別次元の問題なのですから。
 
 韓国の報道官が、誰もが納得するはずもない言い訳が通用すると信じているとしますと、日韓関係の改善は絶望的であるかもしれません。韓国側の説明は、”満天下”が思いもつかない常識はずれのものなのですから。
 
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