時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国の”慰安婦普遍化作戦”は失敗では

 昨日、国連総会の一般討論演説で、韓国の朴大統領は、「紛争時の女性に対する性的暴力は、どれだけ過去の話か、どこで起きたかにかかわらず、明らかな人権の侵害」と述べたと報じられています。
 
 朝日新聞の方針と軸を同じくする韓国は、慰安婦問題を、日韓二国間の問題にとどめず、国際社会に対するアピール力を強めるために、普遍化する作戦を展開してきました。しかしながら、この演説を聞く限りでは、韓国の”慰安婦普遍化作戦”は、失敗したのではないかと思うのです。第一に、紛争時における人権侵害を問うならば、当然に、朝鮮戦争における韓国政府の慰安婦問題やベトナム戦争における韓国軍による虐殺・ライダイハン問題…も含まれるからです。普遍的な問題であればこそ、自国もまた、その責任から逃れることはできなくなるのです。第二に、実のところ、戦場での女性に対する人権侵害行為に関しては、脛に傷のない国はほとんどありません。ですから、国連総会で声高にこの問題を糾弾することは、日本以外の諸国に対しても、批判の対象を広げたことになります。韓国は、非難演説の原稿から日本という国名を除いた途端、日本包囲網を霧散させてしまったのです。
 
 果たして、韓国は、今度はどのような作戦を仕掛けてくるのでしょうか。仁川アジア大会では、韓国の数々の妨害活動が報告されていますが、姑息な手段を用いれば用いるほど、国家としての評価は低下してゆくばかりと思うのです。
 
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