時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

河野談話の問題6-河野氏は日本国民を代表しているのか?

 河野談話の第6番目の問題点は、河野氏が、あたかも日本国民を代表しているかのように談話を公表していることです。
 
 先日の記事で指摘したように、第五段落の文章は、「われわれは…」で始まっております。河野談話の公表については、日本国民は、事前に何らの情報も提供されておりませんでした。国民といたしましては、唐突な河野談話の公表によって、慰安婦問題の責任を負わされる形となったのです。もし、国民の名の下で慰安婦関連の談話が作成されるとする政府の意向が公開されていれば、当時の様子を知る日本国民からの証言や史料も、相当数、集めることができたはずです。ところが、河野談話の作成過程では、韓国人の元慰安婦など、政府によって厳選された人々にしか証言のチャンスを与えなかったにも拘わらず、あたかも日本国民全員が将来にわたって背負うべき”歴史の真実”の如くに国際社会に向けて発表してしまったのです。
 
 今日に至り、日本国民の間で河野氏に対する批判が高まっておりますのは、作成過程では日本国民を無視する一方で、責任だけは押し付けた氏の狡猾な策略にあるのではないでしょうか。”われわれ”を名乗る河野氏が、日本国民を代表しているとは、到底、思えないのです。
 
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