時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”中寇”の時代の到来か―傍若無人な中国の密漁船段

 未だに帝国を気取る中国の時代錯誤ぶりには驚かされますが、小笠原諸島に出現したサンゴの大密漁船団は、”中寇”の時代の到来を予感させます。
 
 中国は、今や世界第2位の経済大国にのし上がり、世界のリーダーを標榜しております。しかしながら、その行動に注目しますと、お世辞にも先進国とは言えないのではないかと思うのです。明代以降、中国は沿岸部における”倭寇”の出没に悩まされ、再三、日本国に対して取締を求めた歴史があります(後期倭寇の大半は日本人ではない・・・)。ところが、海賊が暴れる時代は、中国にとりましては、決して過去のものではないようです。近代以前にあっては、密漁船や密貿易船の跋扈は日常的な光景であったのでしょうが、21世紀という時代にあって、中国は、自国船籍の漁船による密漁行為を放任しています。しかも、1隻や2隻ではなく、200隻を超える船団なのです。
 
 今後とも、中国当局が有効な取り締まりを実施しないとしますと、全世界の海は、”中寇”、すなわち海賊が荒らしまわる中世の海へと逆戻りしかねません。日本国政府の毅然たる対応も求められるところですが、中国は、自らで自国の密漁船を取り締まりませんと、国際的な評価は低下する一方ではないかと思うのです。
 
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