時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

解散は不要では?-消費再増税を掲げる政党はない

消費再増税の判断に関連して、来週に衆議院を解散とする早期解散説がまことしやかに報じられています。しかしながら、この解散、必要なのでしょうか?
 
 マスコミ等の報道によりますと、安倍首相は、消費再増税の延期を決定した上で、アベノミクスの是非を国民に問うために解散すると説明されています。いわば、”郵政解散”のように、争点選挙と言うことになるのですが、消費再増税の延期が争点となるとしますと、消費再増税を公約に掲げて選挙に臨む政党は、皆無なのではないでしょうか。増税路線を敷いた民主党でさえ、海江田代表は、消費再増税反対派への鞍替えの可能性を漏らしているとも報じられています。世論調査を見ましても、圧倒的多数が消費再増税反対、あるいは、先送りを支持しておりますので、各政党とも、消費再増税を公約に記せば、大敗北を喫することは予測できるはずです。少なくとも消費再増税に関しては、国民世論の大勢は既に決せられているのです。
 
 仮に、総選挙の必要性を感じているとしますと、それは、国際公約として増税論が登場したことに関連しているかもしれません。日本国に消費増税を求める勢力を納得させることだけが解散の目的となりますと(もっとも、表面化していない別の目的があるかもしれない…)、700億円の予算を投じて総選挙を実施するのは考えものです。諸外国や国際会議等での説明強化など、他の方法があるのではないかと思うのです。
 
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