時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

村山談話の問題点-第二次世界大戦と植民地支配は別問題では?

 戦後70周年を迎える終戦の日に公表されるのでは、との憶測を呼んでいる首相談話の行くへが、現在、国民の関心を集めております。アメリカの国務省の報道官も、早々に村山談話河野談話に触れたことから、ネット上では様々な意見が飛び交っていますが、談話の内容と史実との乖離は、理性が許容する範囲を超えているようにも思われます。
 
 村山談話では、先の大戦は、”植民地支配と侵略”として総括されており、とりわけアジア諸国に多大な苦痛と損害を与えたとされています。しかしながら、今日、日本国断罪の急先鋒である韓国を見る限り、第二次世界大戦によって、朝鮮の人々にどれほどの苦痛や損害を与えたのかは、疑問なところです。朝鮮半島は、第二次世界大戦にあっては、終戦末期に現在の北朝鮮ではソ連邦の侵攻を受けたものの、韓国は、戦場にも都市空爆の対象ににもならず(機雷の敷設等はあったらしい…)、遅くに徴兵された男子は配属される前に終戦となりました。女子の動員も内地より遅れましたし、日本軍による慰安婦の強制連行が虚偽であったことは、朝日新聞社の一件で既に明らにされた通りです。第二次世界大戦によって、日本国は、過酷な”植民地支配”に乗り出したのではなく(条約に基づく韓国併合は1910年であり植民地化とも言えない…)、むしろ、朝鮮半島に対して優遇措置を講じることで、戦争遂行を困難とする反乱や暴動が発生しないように慰撫政策で臨んでいたのではないでしょうか。仮に、朝鮮半島第二次世界大戦が直接的に関係するならば、それは、この大戦が、日本国が朝鮮半島を放棄し、韓国が独立する契機となったことです。
 
 村山談話は、第二次世界大戦から50周年を迎えた年に発表されましたが、日本軍による占領が東南アジア諸国の独立の下地となり、かつ、日本領であった台湾や朝鮮半島の二国の建国の契機となったのですから、先の大戦は、”植民地支配”ではなく、”植民地時代の終焉”の方が史実に即していると思うのです。
 
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