時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

危険地帯への渡航は自決の覚悟で

 現在、イスラム国を含む様々な武装集団が激しい抗争を繰り返し、対イスラム国の軍事作戦が展開されている中東地域が最も危険な場所であることは、全世界の誰もが理解しております。こうした事情を知りながらも、敢えて危険地帯に足を踏み入れる人々もおります。
 
 人質となった方々も、自己責任の下で渡航されたのでしょうが、危険地帯では、個人では責任を負い切れない事件が発生することは珍しくはありません。人質事件とは、その最たるものであり、出身国の政府に身代金が要求され、国民もまた、テロリストからの脅迫を受けます。こうした事件は、人質となった本人達では解決できず、否が応でも自己責任の範囲を超えるのです。それでは、危険地帯への渡航には、どの程度の覚悟が必要なのでしょうか。決して人質にならないよう、細心の注意を払いながら行動することは言うまでもないことなのですが、万が一、人質となってしまった場合、政府が身代金を支払わなければ、テロリストに無慈悲に命を奪われ、また、政府が身代金を支払えば、間接的には他の人が身代わりになる、あるいは、犠牲者を増やすのですから、最後は、自らの命を絶つ覚悟も必要となります。
 
 潔く中東に骨を埋める覚悟をあってこそ、テロリストの人質作戦を封じることができます。中東の平和と安定のために命を捧げた立派な日本人として、その名は、日本国民のみならず、中東の人々にも長く記憶されることになると思うのです。
 
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