時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人質殺害の責任を転嫁する卑怯なイスラム国

 信憑性については確認されてはいないものの、イスラム国の人質となっていた湯川氏が殺害されたとするビデオが公開されたそうです。以前より合成の疑いの濃い映像が度々公表されてきましたので、今回のビデオもまた、何らかの細工や映像処理がなされている可能性も否定できません。
 
 ところで、イスラム国側は、湯川氏の殺害について、”安倍首相が殺した”と嘯いいているそうです。日本国内でも、ネット上などでこの論調に同調する意見も聞かれ、人命が失われた責任は政府にあるとして、政権批判に躍起になっているブログ記事も見受けられます。しかしながら、殺人という罪を犯したのはイスラム国であることは、否定のしようもないことです。イスラム国は、自らの利益、あるいは、目的のために人質を拘束し、自らの手で殺めたのです。殺人は、『コーラン』においても禁じられておりますので、イスラム国は、敬虔なるイスラム教徒でもないのです。
 
 殺人という大罪の責任を他者に転嫁して非難の具とするイスラム国の姿勢は、卑怯と言うものです。イスラム国は、暴力による他者の支配よりも、自らの道徳心や倫理観の再建に取り組むべきと思うのです。
 
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