時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「イスラム国(ISIL)」も隠す人質情報の怪

 「イスラム(ISIL)」に囚われている後藤氏の国籍について、ネット上では、様々な情報や憶測が行き交っています。国民の多くもの関心を寄せているのですが、どこを探しても、事実と確定できる情報に乏しいことは確かです。

 後藤氏は、日本国籍を持たない在日韓国・朝鮮の人なのではないか、とする疑う声は、全く根拠がないわけではなく、氏の母親の朝鮮半島発言や姓名表記(KENJI GOTO (JOGO))の不自然さなどが指摘されています。姓名表記については、妻の姓(城後)であるとされていますが、昨日公表された声明文には、名前のみで姓は表記されていないようです(新聞も、母親のフルネームは公表しても、妻の氏名は伏せている…)。多くの日本国民が疑心暗鬼となっているのですから、日本国政府から何らかの説明があってもよさそうなものなのですが、今のところ、その気配はありません。そして、もう一つ、不可思議なことは、「イスラム国(ISIL)」もまた、人質情報の詳細を明らかにしていないことです。「イスラム国(ISIL)」の情報収集力は相当なものであり、日本国内のネット上の世論なども細かくチェックしているそうです。仮に、日本国民が人質の国籍等を疑っていることを知ったならば、脅迫効果を上げるためにも、自ら積極的に人質が日本国籍を有していることを証拠と共にアピールするはずです。ところが、「イスラム国(ISIL)」が公表した最近の映像でも、湯川氏は千葉、後藤氏は仙台出身と語るのみで、日本国籍については触れていないようなのです。

 日本国政府も、日本国民も、そして、「イスラム国(ISIL)」も、人質の国籍を知らない、ということは、あり得るのでしょうか。

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