時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「イスラム国(ISIL)」は”陸の海賊”

  国際法では、海賊は、奴隷貿易人と並んで”人類の敵”と認識されており、海洋法などでも、全ての国家に対して公海上での取り締まりを求めています(今日では、この用語を、テロリストなどにも用いる事例がある…)。昨今、日本国内では、政府は「イスラム国(ISIL)」に宣戦布告したに等しい、として批判する声も聴かれますが、「イスラム国(ISIL)」に最も類似している組織は、海賊なのではないかと思うのです。

 「イスラム国(ISIL)」が、”陸の海賊”である理由は、言うまでもないことです。国家の統治権力が及ばなくなった地域において、住民の奴隷化のみならず、殺害、略奪、人質…といったありとあらゆる犯罪行為を生業としているからです。海域ならぬ、領域を不法に占領することで、油田さえ手に入れ、天然資源をも私物化しています。「イスラム国(ISIL)」は、国際法上の国家ではなく、「イスラム国(ISIL)」の幹部も”陸の海賊の頭”であり、決して正当な統治者ではないのです。

 このように考えますと、”陸の海賊”である「イスラム国(ISIL)」は、”人類の敵”なのですから、日本国政府が敵対することは、至極当然なことです。否、”人類の敵”と闘うことは、国際社会の一員としての義務でもあると思うのです。

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