時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

二階訪韓団は危険な二重外交

 二階議員が1400人をも引き連れて訪韓し、朴大統領と面会した一件は、日本国内では世論の批判を浴びております。慰安婦問題の解決で韓国側と意見が一致したと述べたのですから、事は重大です。

 慰安婦問題については、政府の立場は、一貫して解決積みというものです。慰安婦とは、契約に基づいて対価が支払われた職業でしたので、1965年の日韓請求権協定で解決しているからです(犯罪被害に対しても、アジア女性基金で支援…)。ところが、二階議員は、韓国側の主張に同意し、慰安婦問題を未解決の問題とみなしました。首相の親書を携えてはいても、全権が委任されているわけではありませんので、二階議員の発言に法的効果や外交的効果は生じないのですが、マスコミ等が大きく取り上げて報じますと、まるで政府のお墨付きのような印象を与え、政府に対する圧力となりかねません。

 韓国は、とりわけ関係が難しい国ですので、二重外交は危険です。二階議員の行動は、相手国に隙を与えたことにおいて、日本国の国益を損ねていると思うのです。

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