時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

村山・河野・小泉談話継承支持者への素朴な質問

 第二次世界大戦終結から70周年を迎えた今年、首相の70周年談話の行方が注目されておりますが、野党や公明党は、村山談話の継承を強く求めていると報じられております。

 過去の諸談話の継承を求める人々は、特に村山談話で示されている”侵略と植民地支配”という表現に固執しているのですが、この態度については、素朴な疑問があります。それは、談話を踏襲すべきとする理由が、明確に説明されていないことです。支持理由は、およそ二つに分かれるのですが、その一つは、(1)”侵略と植民地支配”が紛れもない史実であるから、変えるべきではない、とするものであり、もう一つは、(2)”侵略と植民地支配”は史実ではないけれども、中韓との関係を優先して変えない、というものです。(1)の立場であれば、史実が判明すれば、変更に同意する可能性がありますが、(2)であれば、説得は非情に難しくなります。

 談話の踏襲を要求する人々は、少なくとも、自らが(1)と(2)のどちらの立場に立脚しているのか、明言すべきです。そして、仮に(2)であるならば、事実に目を瞑る罪をも問われることになるのではないでしょうか。

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