時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

メルケル首相の深刻な誤解

 訪日されていたドイツのメルケル首相が民主党岡田代表との面会にて語ったとされる発言は、日本国内において波紋を広げているようです。

 昨日の記事では、首相の方から慰安婦問題の解決について語りかけるはずはないのでは?、とする疑問を呈したのですが、本日の各紙に掲載された記事を読みますと、話題を提供したのはメルケル首相の方からであったそうです。しかも、ホロコーストの歴史と重ね合わせていますので、ナチスと戦時期の日本国とを同一視ているらしいのです。この誤解は、日本国にとりましては深刻な問題です。アメリカでは、ようやく慰安婦の実像が明らかにされつつありますが、ヨーロッパでは、政治家レベルにおいて未だに誤った認識が存在することを示しているからです。ドイツのみならず、イギリスのBBC放送などを見ましても、何らの客観的な検証もなく、戦前の日本国=残酷国家=加害国とするイメージで報じられています。ユダヤ人迫害は事実であったとしても、日本国が、戦時中に朝鮮人を迫害した事実はありません(むしろ、国民の義務の面においては免除されていた…)。

 日本国政府は、慰安婦問題等の歴史に関する様々な事実誤認を是正するために広報活動に力を入れる方針のようですが、メルケル首相の発言を機に、ヨーロッパ諸国に対する活動も強化すべきではないでしょうか。
 

よろしければ、クリックをお願い申し上げます。