時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

第二次世界大戦を”反ファシスト戦争”としか言えない中国の弱み

 中国は、第二次世界大戦における枢軸国に対する戦いを、”反ファシスト戦争”と位置付け、戦勝70周年の記念日を祝う予定なそうです。

 1942年1月1日に発せられた連合国47か国による連合国共同宣言では、中華民国もその名を連ねています。共同宣言によって、共通の目的に下に連合国諸国が集ったわけですが、宣言文の中には「各政府の敵国に対する完全な勝利が、生命、自由、独立及び宗教的自由を擁護するため、並びに、自国の領土及び他国の領土において人類の権利及び正義を保持するために欠くことのできないものであること・・・を確信し、…」とする件があります。この件は、連合国側の戦争目的を凡そ述べたものですが、果たして、現在の中国は、この目的に従って行動しているのでしょうか。チベットウイグルに対する侵略と弾圧をはじめ、実のところ、中国は、この件とは、正反対の行動を採っているのです。

 連合国の共通目的さえ蔑にしている国が、連合国の一員として戦勝を記念することは、一種の偽称としか言いようがありません。”反ファシスト戦争”としか表現できないところに、中国の弱みが垣間見られるのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。