時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

村上春樹氏への疑問

 村上春樹氏と言えば、毎年、ノーベル文学賞の候補者としてその名が挙がっております。国際的な知名度が高いだけに、その発言も注目されるのですが、先日、歴史問題について発言したところ、物議を醸しだしております。

 氏の発言とは、、「細かいことはともかく、日本が他国を侵略したことは事実。歴史認識はとても重要だから、しっかりと謝罪することが大切だ。相手国が納得するまで謝罪するべきではないか」というものです。小説家としては、この感覚で構わないのでしょうが、国家間の関係となりますとあまりに杜撰な発言と言わざるを得ません。”侵略”については、”細かいこと”こそが重要であり、国際法の世界においても、第二次世界大戦当時の時代状況にあって、どれほど法的に侵略を認定できるのか、議論が続いております。また、”歴史認識”が重要であることが、謝罪の大切さの理由ともなりません。”歴史認識”はあくまでも主観的な認識に過ぎず、謝罪は、事実こそが前提となるからです。

 氏は、相手が納得するまで謝罪せよ、とも主張されておりますが、”100回でも謝るべき”とか、”1000年も恨み続ける”と公言する国もあります。日本国は、100回も、そして、千年も謝罪を繰り返すべきなのでしょうか。

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