時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

GPIFがAIIBファンドの”ねぎ鴨”となるリスク

 1年と少しばかり前となる2013年12月10日に発信された、”日本国の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、海外のインフラファンドへの投資に乗り出す”とする記事を発見いたしました。この記事には、昨今のAIIBの動向を考えますと、危ない予感がいたします。

 本日の報道によりますと、AIIBは、創設と同時に投資ファンドをも設立し、海外の機関投資家から資金調達を行うそうです。対象は、政府系投資ファンドとのことですが、その大半が、年金基金となることが予測されます。資金調達先の政府系投資ファンドは、AIIB参加国に限定されてはおらず、日米も含まれております。GPIFは、世界最大規模の年金基金であり、その運用規模は120兆円ほどですので、中国側が、GPIFを念頭に置いていることは想像に難くありません。日本国政府が参加を見送っても、GPIFから資金を調達できれば、中国としては御の字のことでしょう。否、日米に頭を下げて加盟を求めるよりも、迂回ルートを利用した方が面子も保てます。

 日本国内には、チャイナ・マネーに籠絡された親中派が出現しており、上記の情報を考慮しますと、今後、海外インフラファンドへの投資を名目として、GPIFの資金運用をAIIBに振り向ける動きが生じる可能性があります。GPIFは、”ねぎをしょった鴨”となりかねず、AIIBのリスクや損失が、日本国民に押しつけられてはならないと思うのです。

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