時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本軍の慰安婦制度は人道的か非人道的か?

 国際社会を見渡しますと、日本軍の慰安婦制度については、一面的な見方が蔓延しております。その筆頭は韓国であり、”戦時性奴隷”や”戦時残虐行為”と見なす一方で、アメリカもまた、”言語道断の著しい人権侵害”と表現しております。

 慰安婦問題については、募集時の人身売買のみならず、日常における非人道的な扱いが取り沙汰されております。韓国人元慰安婦の証言には、想像を絶する虐待が語られており、上記の表現も、こうした証言を信じての事なのでしょう。しかしながら、当時の日本軍には、慰安婦を虐待する理由はありません(慰安婦の多くは、日本軍の将兵からプレゼントやチップをもらったと証言しており、仮に虐待があったとすれば、民間事業者…)。残虐行為の描写は、その方法から北朝鮮等による拷問を参考にしているとの有力な説があります。片や、ピクニックや高級品の買い物など、慰安婦達の生活が恵まれていたとする証言もありますし、一般国民の所得水準からすれば、高給取であったことは、既に資料によって裏付けられています。信憑性の薄い残酷証言だけを取り上げて判断する姿勢は、公平性に欠けております。さらに慰安婦問題において注目すべきは、制度発足の理由です。この点については、日本側に資料が残されており、占領地の女性達への将兵の暴力を防ぐこと、プロの女性によるスパイ・リスクを軽減すること、そして、将兵への病気の罹患を防止することの三点が、主たる慰安所設置の理由でした。特筆すべきは、第一の理由です。設置理由を基準として判断しますと、日本軍の慰安婦制度は、戦地の民間女性を将兵の暴力から守ろうとしたのですから、人道的ですらあります(韓国軍は、ベトナム戦争で大虐殺やライダイハン問題を起こしている…)。

 確かに、労働法の整備が進んでいる今日と比較すれば、戦地の慰安婦達が厳しい労働条件の下で苦難を経験したこともあったのでしょうが、ホロコーストに匹敵する20世紀最大の人権侵害事件の一つとする評価は、あまりにも過大であり、偏り過ぎております。少なくとも、評価に際しては、日本側の慰安所開設の理由や慰安婦の所得レベル等の観点を加えるべきです。日本軍の慰安婦制度については、他国の制度との比較なども行い、人道的か否か、あるいは、定義を明確化した上での職業人か奴隷かの、学術的な議論を経てから、公平な評価を行うべきではないでしょうか。

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