時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国の”手のひら返し”-波及するリスク

 「明治日本の産業革命遺産」の登録問題は、審査日当日に起きた韓国の”手のひら返し”事件により、重大な事態を迎えております。何故なら、この問題、世界遺産の登録に留まらないからです。

 ネット情報によりますと、韓国の”手のひら返し”は、相当に巧妙であったようなのです。先月末、両国は、外相会談の席で双方が相手国の遺産登録で協力することで、一旦、合意ます。日本側は、ユネスコ世界遺産委員会での審議は滞りなく完了するものと確信していたのでしょうが、一方の韓国側は、合意以降も反対活動を継続し、現地には、韓国の反対団体が押しかけているそうです。こうした状態で審議の当日を迎えたのですが、当初は日本国の遺産が先に審議されるところ、韓国の遺産が先になるよう変更されます。この時、日本国も、両国の合意に従って支持を表明し、先に韓国の遺産登録が決定されます。ところが、日本国の審議が後となったところで、韓国は、強硬に登録反対に動き始めたというのです。確信犯としか考えようがなく、唖然させられる展開なのですが、韓国国内の反応は、”これぞ外交”とばかりに、拍手喝采なそうです。この一連の韓国の行為から導き出されるのは、たとえ合意があったとしても、韓国を信用してはならない、という教訓です(かねてより、信頼性には疑問が持たれていたのですが…)。

 そしてこの教訓は、安全保障といった他の分野でも考慮されるべき韓国リスクとなりましょう(安全保障分野では、とりわけ相互信頼が重要…)。覆水盆に返らずと申しますが、ユネスコを舞台に見せつけた韓国の”手のひら返し”は、水面下で進行していた東アジアの地殻変動が、誰の目にも明らかな形で表面化した瞬間であったとも思うのです。

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