時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓の歴史観とマルクス史観との融合

 先日のブログ記事では、中韓歴史観が、新王朝の正当性を得る目的のために、政治的改竄を許す”歴史権威主義”であると指摘しました。

 中韓の”歴史権威主義”は、前近代的歴史学のカテゴリーに分類されるのですが、近代にあっても、歴史の改竄を許す学派があります。それは、マルクス史観です。マルクス史観では、歴史は、物理の法則の如く、絶対的な法則通りに展開すると規定され、マルクスこそが、その法則の”偉大なる発見者”でした。人類史における最終的な勝利者プロレタリアートであり、階級闘争は、最終段階へ至るためのプロセスと見なされたのです。マルクス史観から見ますと、共産主義体制に至るまでの全ての歴史は階級闘争であらねばならず、この絶対法則からの逸脱は許されません。このため、歴史は、得てして事実から離れ、書き換えられるのです。

 歴史の改竄容認については、伝統的な歴史権威主義マルクス史観が融合している中国より右に出る者はいません。近年、中国の影響が強まっている韓国でも、歴史改竄の傾向は強まるばかりです。一党独裁共産党は、過去をも支配できるのです。相互理解を薦めるならば、日本国は、中韓の特異な歴史観こそ深く理解すべきと思うのです。

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