時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の軍事パレードに安保法案反対論者は何を思うのか?

 本日、中国では、抗日70周年を記念した式典に加えて、軍事パレードが行われました。放映された映像を見ますと、機械人形のように人民解放軍の兵士達が整然と行進する様は、ソ連邦時代の赤の広場での軍事パレードを彷彿とさせます。

 本日の天安門広場の軍事パレードもとりわけ共産主義色が強く、習近平主席の出で立ちも毛沢東のイメージが重なります。つい先日までは、中国は、BRICsの一角を占めるグローバル時代の申し子のような立ち位置でしたが、本日の軍事パレードの様子や習主席の演説を見る限り、時計の針が改革開放以前に逆戻りしてしまったかのようです。冷戦期にあって、ソ連邦が、軍事力で周辺諸国を頸木で繋ぎ、西側諸国と鋭く対立する軍国主義国家であったことは言うまでもありません。中国において共産主義体質が復活したとしますと、本日の軍事パレードは、周辺諸国、そして、西側自由主義国に対する威嚇行為としても理解されるのです。公然と中国が軍事力をひけらかす中、安保法案に反対している人々は、軍事パレードをどのように理解しているのでしょうか。習主席の演説を鵜呑みにし、中国は平和を目指す理想的な国家であると信じているのでしょうか。仮に、中国が、平和国家であるならば、大規模な軍事パレードなど催すはずもありません。

 安保法案反対論者は、中国の軍事的脅威から目を逸らし、ひたすらに日本国が戦争を仕掛けるようなイメージを振りまいております。この倒錯した思考回路は、これらの人々が、共産主義者、あるいは、自覚なくして共産主義に共鳴している人々であることを示していると思うのです。

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