時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

高校外の政治活動-洗脳対策も必要では?

 報道によりますと、文部科学省は、「18歳選挙権」に合わせて、高校生の政治活動について一定の原則を設けたそうです。その原則とは、高校内での政治活動は禁止・制限とする一方で、学校外での政治活動は解禁する、というものです。

 選挙権が付与される以上、政治活動も認められるべきとする主張には一理ありますが、人の精神面での成長過程を考慮しますと、10代の政治活動には、この年代特有のリスクがあります。SEALDsの活動からも見られるように、この年代の若者は、洗脳を受けやすく、かつ、自己陶酔による過激な集団行動に駆られやすいのです。歴史を振り返りますと、ヒトラー・ユーゲントをはじめ、文化大革命時の先兵も、”紅衛兵”と呼ばれた若者達でした。文科省の方針では、”違法・暴力的な活動”となる恐れがある場合には、校外であっても禁止するそうですが、デモといったレベルであれば、許されることにはなります。また、国会前デモへの参加者の年代層が、団塊の世代が最多であることも、若年期に一旦洗脳を受けますと、一生その思考から抜け出られなくなる可能性をも示唆しています。

 ナチス時代や文化大革命期とは違って、現代には様々なSNSがあり、いじめ問題なども絡んで集団行動を誘引するツールがあります。高校生の段階では、様々な考え方を学び、自由な発想を育む時期でもありますので、洗脳を伴うイデオロギー志向の強い高校生の政治活動には、10代特有の精神状況を考慮した対策が必要なのではないかと思うのです。

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