時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

逃げ腰のSEALDs

 昨日、参議院特別委員会では、安保法案反対運動の先兵とも言えるSEALDsの代表も招かれ、意見陳述の機会が与えられていました。ネット上などでは、安保法案反対論者から絶賛を受けておりましたが、その全文を読みますと、攻めに見えて、その実、既に逃げ腰なのではないかと思うのです。

 真正面から法案の内容に踏み込まないのは以前からの基本姿勢ですが、今回の意見陳述は、実のところ、SEALDsに対する一般的な批判や疑問に対する弁明書のようでもありました。SEALDsは、共産党の別働隊であり、国会前デモも特定の政治組織による動員であることは、各方面からの指摘で明らかです。この事実こそが、マスコミの応援もむなしく、国民がSEALDsを信用しない主要な要因でもありました。この自覚があるからこそ、自らが特定の政治団体に属さない”無党派”の集まりであり、政治に目覚めた学生の”自発的なデモ参加”であることを、不自然なまでに強調する文章となったのでしょう。つまり、SEALDsにとっての公聴会とは、自らの集団に対する嫌疑を晴らし、自らが創り出したイメージを取り繕う場であったのです。

 果たして、公聴会での発言を聞いた国民は、SEALDs側の説明を鵜呑みにし、デモに参加した学生達を政治色のない一般の学生とみなしたでしょうか。SEALDsの正体がおよそ露呈している状態にあっては、虚の混じった見苦しい弁明は、さらに信頼を失う結果を招いたのではないかと思うのです。

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