時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

移民問題と陰謀論

 近年、ソ連邦の崩壊に伴い、コミンテルン等が展開した各国に対する工作活動の一端が明るみになったためか、陰謀論に対するタブーが薄れたように思われます。一昔前では、”陰謀では?”と言い出そうものなら、一笑に付されたものです。

 陰謀の実在性が高まったもう一つの理由は、表にされない何らかの謀略が裏に無ければ、説明できない現象が増えたことにもよります。例えば、現在、EUのみならず、国際社会を揺るがしている移民問題はどうでしょうか。実のところ、移民問題は、EUに限ったことではなく、日本国でも、厚労省は、年間20万人といった非現実的な数字を挙げて、移民の受け入れを提唱しています。12万人の難民受け入れ分担でEUが揺れていることを考えますと、日本一国で年間20万人の移民を受け入れるなど、全く以って不可能なことです。しかも、大量の移民が、集住化やスラム化などを通して、時にして社会の不安定化、民族・宗教対立、並びに、治安悪化の要因となることは歴史が証明しています。世論の大半が遺民に反対するのにもれっきとした理由があるのです。にも拘らず、全世界で移民受け入れ政策が推進され、時には、EUのように、半ば強制的に受け入れを迫られる状況が出現する背景には、何らかの国際的なプロットの存在を推定せざるを得ません。全世界に移民を放つことによって、既存のコミュニティーを破壊し、全ての諸国を混乱に陥れようとする…。

 全世界的な移民問題の高まりは偶然の一致に過ぎず、この陰謀論は、空想に過ぎないのでしょうか。少なくとも、移民問題を純粋な人道問題、あるいは、一国の政策論として扱う時代は、既に過ぎ去ったのではないかと思うのです。

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