時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

流行していない”流行語大賞”の傲慢

 毎年、年末になると、その年に流行った言葉を選んで賞を与える”新語・流行語大賞”が発表されます。今年の大賞は、”爆買い”と”トリプル・スリー”であり、トップテンも発表されたそうですが、選考の偏向がむしろ話題となっております。

 ”爆買い”とは、中国人訪日客による常軌を逸したかのような消費行動を意味しますが、関心を集めても、日常的に、この言葉が使われているとは思えません。また、”トリプル・スリー”に至っては、一度も耳にしたことがなく、調べたところ、プロ野球用語であり、「プロ野球で打率3割、ホームラン30本、そして盗塁30個の達成を指すこと」なそうです。この他にも、「安倍政治は許さない」とか、「SEALDs」など、一部の左翼活動家の言葉が選ばれており、政治的偏向も隠しようがありません。つまり、実態からかけ離れた選考は、選者たちの権威主義的な傲慢さの現れなのです。”新語・流行語大賞”は、流行っていようが、いまいが、自分達の独断で決める、という…。

 左翼の人々は、政府に対しては、しばしば”民意からかけ離れている”と批判してきましたが、実際に、民意を歯牙にもかけていないのは、こうした人々なのではないでしょうか。仮に、”今年の傲慢大賞”というものがあれば、流行っていない”流行語大賞”こそ、この賞に相応しいと思うのです。

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