時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

選択的夫婦別姓は親子別姓-隔世継承を認めては?

 最近、マスメディア等を介して、選択的夫婦別姓に関する国民の関心を喚起している節があります。毎日新聞社世論調査では、51%が賛成と回答しているそうですが、世論調査の信頼性には疑問がありますので、実際、どれほどの国民が賛成であるのか、疑問なところです。

 選択的夫婦別姓については、第一に、婚姻による姓の変更が社会生活上不便をきたす、とする理由が挙げられております。しかしながら、在日韓国・朝鮮人通名については、マスコミは、この理由を挙げて廃止を求めておりませんので、真の理由は別にあるのでしょう。このため、中国や朝鮮半島の風習の持ち込みであるとする説も根強く、日本人の多くが戸籍制度の変更に警戒感を抱く原因となっております。その一方で、保守の側からも、家名の断絶を回避する手段として、選択的夫婦別姓を支持する声も少なくありません。この理由からの支持は、夫婦別姓のもう一つの側面を浮かび上がらせます。それは、この制度では、必然的に、父であれ、母であれ、いずれかの親と子が別姓となるからです。仮に、家名の継承を目的とするならば、戸籍上の姓については、隔世継承を認めてはどうかと思うのです(家名再興)。現行の制度では、祖父母の養子としなければ家名を継ぐことは出来ませんが、遡れる世代数など、法律で定めた要件を充たす場合には、家裁等に申請し、審査をパスしたケースについては、隔世継承を認めるのです(両親より上の世代から子へ…)。隔世継承の選択の時期を成人年齢とすれば、家庭における安心感を必要とする時期において家族の絆が保たれますし、家名の継承に本人の同意を得ることもできます。

 夫婦別姓は、横関係において理解されがちですが、実のところ、親子の縦関係においての方が影響が強いのではないでしょうか。少子高齢化の時代において、後継ぎがいない問題に直面している国民も少なくありませんが、こうした問題の解決の方法は、選択的夫婦別姓のみではないと思うのです。

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