時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

朝鮮半島の現状こそ集団的自衛権の抑止力なのでは?

 翼の人々は、安保関連法案の反対をはじめ、兎角に、集団的自衛権について否定的な主張を繰り返しています。たとえ、平和のための法整備であるとしても、集団的自衛権には戦争を抑止する効果はない、と言い切っているのです。

 しかしながら、集団的自衛権の抑止力は、NATOワルシャワ条約機構の対峙により、熱戦に至らず、冷たい戦争のまま終結したヨーロッパの冷戦構造を例として説明されておりますし、朝鮮半島の現状も、集団的自衛権の抑止力の現れでもあります。仮に、1953年の米韓相互防衛条約、もしくは、1961年の中朝友好協力相互援助条約が存在しなければ、朝鮮半島は、何らかの切っ掛けがあれば、即、戦争状態に陥ったことでしょう。今日、38度線を睨んで、曲がりなりにも停戦協定が維持されている背景には、双方とも大国との同盟があり、これこそ、集団的自衛権の抑止力と言えるのです。

 反対派の人々は、集団的自衛権の抑止力が実際に働いている事実を、どのように考えるのでしょうか。日本国にだけはこの効果は働かない、と主張しているとしますと、その根拠を教えていただきたいと思うのです。

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