時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本軍による慰安婦大量虐殺があり得ない理由

 慰安婦として名乗り出た女性の数が少なかったためにか、辻褄合わせのために、戦場に連行された20万人の朝鮮女性達は、敗戦に際して虐殺されたとする説が流布されております。最近、韓国では、この説に沿うような映画も作成され、内外で公開されているようです。

 しかしながら、日本軍による慰安婦大量虐殺は、あり得ないのではないかと思うのです。韓国側の説では、虐殺の理由は、強制連行の証拠隠滅のためなそうです。連合国によって戦争犯罪に問われることを怖れた故の残虐行為、ということになるのですが、そうであるならば、なおさら、大量虐殺はあり得ないはずです。何故ならば、連合国側では、民間人虐殺などの人道に対する罪を含め、枢軸国側の戦争犯罪を把握すべく、早い段階で戦争犯罪に関する調査委員会を設立していました。おそらく、この情報は日本国側にも伝わっていたでしょうし、日本国がポツダム宣言を受託した1945年8月には、既に、ナチス戦争犯罪を裁くためのニュルンベルク裁判に向けての手続きも開始されております。この事実は、仮に、日本軍が朝鮮女性20万人を虐殺すれば、強制連行以上の重い罪に問われることを意味しています。当時の日本軍が、このような愚かな判断をしたとは、到底、考えられません。また、現実的な問題として、仮に、慰安所の女性を一斉に殺害するならば、占領地全域において、日本国政府、あるいは、軍本部からの命令書が必要なはずです。相当数の命令書が伝達されたにも拘わらず、今日、一通もの残されていないことはあり得ません。さらに、戦後における慰安婦の帰国に関する資料や証言も残されているはずです。

 韓国の人々は、現実の出来事として、日本軍の20万人大量虐殺があり得るのか、冷静になって考えてみるべきではないでしょうか。そして、日本国側も、これまで以上に、国際社会に広がった誤解を解くべく、事実発信を強化してゆくべきではないかと思うのです。

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