時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

高校生を”歴史認識”で洗脳するNHK

 本日、NHK高校講座の歴史において、「第37回 第4章 近代国家の形成と国民文化の発展 太平洋戦争」が放映されたそうです。ところが、この番組、中国や韓国の”歴史認識”が色濃く反映されているのです。

 先の大戦に至る過程については、一先ずは、ステレオタイプの説明なのですが、番組の途中で、季武嘉也創価大教授が登場してきます。そして、アジア・太平洋地域の諸国における戦争の犠牲者数を示す図が紹介されるのですが、中国の犠牲者が1000万人、韓国・北朝鮮の犠牲者を20万人としているのです。この数字、実証されているわけではなく、あまりにいい加減な数字です(他の諸国の数字も正確であるかは疑問…)。中国の1000万人説もあり得ない数字ですが(中国政府は3000万とも主張…)、特に、韓国・北朝鮮については、20万人もの犠牲が生じるはずもありません。台湾は3万としておりますが、朝鮮半島も台湾と同様に戦場とはなりませんでした。仮に、犠牲者が存在するとすれば、ソ連参戦後に南下したソ連軍に殺害されたか、あるいは、日本国内で空襲等で死亡した人々ですが、その多くも、日本人であったはずなのです。

 国際社会におきましても、戦争被害の数字の統計は正確さを欠いており、プロパガンダの要素も非常に強い領域です。少なくとも、高校生を対象に歴史講座を設けるならば、事実のみを教えるべきであり、高校生に不正確な数字を信じ込ませる行為は、”洗脳”に等しいのではないかと思うのです。

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