時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

不可解な慰安婦問題-朝鮮総督府資料の検証を

 先の国連女子差別撤廃委員会における日本国政府の答弁に対して、韓国側は、国際社会が既に判定を下しているとし、元慰安婦の証言をその証拠として反論しています。

 ここで不可解な点は、何故、韓国側には、元慰安婦の証言以外に証拠はないのか、ということです。朝鮮総督府に保管されていた行政文章等の中で特に重要書類は、敗戦時に焼却されたとする指摘もありますが、たとえ焼却された書類があったとしても、その多くは軍事関係の機密文書であったことでしょう。その一方で、1965年の日韓請求権協定に際しての交渉では、徴用工の未払い賃金等を日本国政府に請求していますので、韓国側は、朝鮮総督府の書類をある程度は保管しているものと推測されるのです。仮に、保管資料がありながら、韓国側は、’強制連行’の証拠を提出できないとなりますと、日本国政府、あるいは、軍による強制連行の”命令書”なるものは、存在していない、と考える方が妥当です。

 日本国側にも、朝鮮総督府に関する資料が残ってるはずですので、慰安婦問題については、まずは、その資料を検証してみるべきです。そして、韓国側も、このまま元慰安婦の証言以外の証拠を提示できないのであるならば、国際社会は、立証責任を負おうともしない韓国に対して、不信感を強めることになるではないでしょうか。

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