時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

復讐の連鎖と慰安婦問題

 年末の慰安婦合意を受けて、韓国国内では、”鬼郷”なるフィクション映画を上映し、相当数の観客を動員しているそうです。この動き、日本国にとりましては、極めて危険な兆候のではないかと思うのです。

 戦争や紛争、そして、テロが起きる度に、”復讐の連鎖を断つべき”とする意見が聞かれます。逆から見ますと、こうした発言が聞かれること自体、復讐の連鎖を断つことが、実際には大変難しいことを暗に示しています。人間には、復讐心があることは、古今東西の歴史のみならず、小説や戯曲などでも描かれる通りです。復讐心が人間の自然な感情に根差しているとしますと、韓国の国民が、ノン・フィクションとして観賞している”鬼郷”は、日本国や日本人に対する復讐心を強める作用があるかもしれません。観客の多くが、映画で描かれている”日本軍の非道な行動”に怒りを覚え、涙しているというのですから。このまま映画のストーリーが史実として韓国国民に刷り込まれるとしますと、これは、”ヘイト映画”としか言いようがなく、将来にわたって、日本国、並びに、日本人を危険な状況に置くことになります。

 朝鮮女性20万人を強制連行して慰安婦にし、かつ、虐殺したとするストーリは虚構にも拘らず、日本国や日本人が復讐の対象になるとしますと、これほど理不尽なことはありません。韓国は”恨”の国としても知られています。フィクションを作成するならば、当時、慰安所を経営していた朝鮮人事業者の悪行を描くべきですし、日本国政府も、復讐の連鎖を史実という刀で断つべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。