時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

辺野古埋め立て停止はまさかの中国配慮?

 先日、日本国政府は、裁判所の示した和解案に応じ、1年ほど、辺野古の埋め立て事業を停止する決定を致しました。選挙対策など、様々な憶測も飛び交っておりますが、この決断の背景は謎のままです。

 この件に関して気になる情報は、新聞紙上でも報道されておりましたが、国連安保理での対北朝鮮の制裁決議に中国が賛成に回った裏には、THAAD配備に関するアメリカの譲歩があったのではないか、とする指摘があることです。アメリカとしてはTHAAD配備事態は譲れないものの、配備時期を延期することで、中国に対して一定の譲歩を示したというものです。この事例からしますと、日本国政府もまた、全会一致での北朝鮮の制裁決議成立のために、辺野古の埋め立て事業に関して、一定の対中譲歩を行った可能性も否定はできないように思えます。

 中国側の要求が、辺野古基地であれ、THAADであれ、防衛力強化事業の延期であるとしますと、中国が、逆に、自国が有利なうちに軍事行動を起こそうとする恐れもあります。北朝鮮を押さえることができても、より強大な軍事力を有する中国の脅威が高まるようでは元も子もありませんので、今後の中国の動向には、十分警戒すべきと思うのです。

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