時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国連委のダブルスタンダード

 国連女子差別撤廃委員会は、日本国に対しては、殊更に厳しい姿勢で臨んでいるようです。慰安婦問題に留まらず、削除されたとはいえ、皇室典範の改正まで求めたというのですから。

  それにいたしましても、一体、何を基準として国連委は、”女子差別”を認定しているのでしょうか。皇室典範については、男系男子による皇位継承を女子差別に当たると判断しておりますが、ローマ法王もまた、歴代、男子を以ってその座に就くことを慣例としております。中世に女法王ヨハンナの伝説もありますが(実話ではないらしい…)、それでも男装した女性であり、女性が女性として即位したとは見なされていないようです。国連委は、この慣例を女子差別と認定し、バチカン市国に対しても法王職の女性への開放を求めているのでしょうか。また、イスラム諸国の中にも、バーレーン王国のように、憲法によって王位継承を男子に限定している国もあります(北朝鮮の”金王朝”も男子継承では?)。国連委が、日本国のみに対象を絞り、内政干渉とも言える要求を行っているとしますと、ダブルスタンダードも甚だしいことになります。

 慰安婦問題については、最終見解の取りまとめ役は中国出身の委員であったそうですが、中国や韓国による近年の国連の政治利用は度を越しています。皇室典範改正要求にも外国政府の政治的思惑があるかも知れず、国連委のダブルスタンダードも、その兆候かもしれないと怪しむのです。

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