時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

奇しくも反論の機会を得た日本国政府-慰安婦国連発言

 国連のザイド・フセイン人権高等弁務官が、国連人権理事会での演説において慰安婦を”性奴隷”と述べた件について、国内では、国連に対する批判の声が上がっております。日本国政府も、正式な外交ルートを通して抗議を行うそうです。

 確かに、事実関係を確認せずに発言した同弁務官にも非はありますが、この一件で、日本国政府にとりましては、またとないチャンスを得ることとなりました。何故ならば、日本国政府自身が、自ら”慰安婦は性奴隷”ではない、と国際社会に対して明確に説明する機会を得たからです。仮に、当弁務官の発言が無ければ、日本国政府は、国際社会において、従来通り、沈黙したままであったことでしょう。昨年末の日韓慰安婦合意においても、韓国側への配慮のためか、”性奴隷”の問題は曖昧にされていました。

 おそらく、国連筋での慰安婦発言の背景には、歴史カードとして慰安婦問題を温存したい中国の思惑もあるのでしょうが、国連を舞台に慰安婦問題が”蒸し返された”ことは、日本国にとりましては、決して不利な状況ではありません。これを機に、日本国政府は、国際社会の誤解を解くという形で、積極的に慰安婦の実像を発信してゆくべきではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。