時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

高校生の政治活動-共産主義のフロント問題

 選挙年齢の18歳への引き下げに伴って、高校生の政治活動のあり方にも関心が集まるようになりました。この問題に関しては、文科省が校内での選挙活動を禁じるなどの一定の条件を付したため、政治的自由の制限に当たるとする批判の声もあります。

 しかしながら、SEALDsの活動が示すように、共産主義運動の柱となる重要な活動の一つは、全ての学校の内部に”フロント”を組織することです。”フロント”とは、”細胞”とも呼ばれるもので(実際には”がん細胞”…)、細胞の増殖を以って共産主義思想を全体に増殖させる方法です。こうした組織拡大の手法は、共産主義に限ったことではないのでしょうが、高校生の政治活動解禁は、いわば、細胞培養シャーレを提供することにもなりかねません。今日、大学では、様々な組織やサークルが活動していますが、一見、普通のサークルに見えながら、特定の過激思想やカルトの”フロント”であることも珍しくありません。新入学生がまず気を付けるべきは、こうした組織からの勧誘に騙されて、深く考えもせずに加入してしまうことです。高校生の政治活動が解禁ともなれば、学校や保護者は、同様の心配をしなくてはならなくなります。

 文科省の方針で禁じられるのは選挙活動であり、一般の政治活動については不明です。教師には、政治的中立性を求められるそうですが、今日の若者層は、SNSを用いたネットワークを使いこなしており、横関係からの”細胞化”もあり得ることです。政府も学校側も、フロント対策を勧めるべきですし、一方、政治活動=フロント=危険の構図が定着すると、若者の政治離れをかえって加速させる可能性も否定はできないと思うのです。

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