時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

パナマ文書-鈍い日本国のマスコミの反応

 全世界の政財界人等の課税回避をリークしたパナマ文書アイスランドでは、同文書に名の上がった首相が激しい批判を受け、辞任に追い込まれる事態に発展しております。海外のマスコミでは、連日、大々的に報じられおりますが、何故か、日本国のマスコミの動きは鈍く、どこか他人事のようです。

 ネット上には、パナマ文書には日本人も含まれているとする説もありますが、”元閣僚経験者”、”政府の相談役”、あるいは、”警備保障会社の創設者”といった断片的な情報が散見されるのみです。もちろん、裏付けはありません。実名も伏されており、海外の実名による過熱した報道ぶりとは雲泥の差です。当文書は、南ドイツ新聞がパナマの法律事務所「モンサック・フォンセカ」の内部資料を入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開したものですが、現在公開されているのは、入手資料の一部なそうです。今後、順次に公開されれば、日本人に関する正確な情報も伝わるかもしれませんが、上記のネット情報については、既に公開済みの資料に基づいているのでしょうから、実名が不明というのも不自然です。それとも、日本のマスコミだけが、公開対象から外されてしまったのでしょうか(全世界の100程のメディアに公開したらしい…)。

 何れにいたしましても、全世界に衝撃を与えるほどの大事件ですので、日本国のマスコミ各社も、スクープ記事を発信すべく、日本人に関する情報の収集と報道に先を競うはずです。考えたくないことですが、まさか、日本国内の静けさは、中国以上に日本国内では報道統制が徹底されている結果なのでしょうか…。そうではないことを祈るばかりです。

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