時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「パナマ問題」-真の愛国者とは?

 「パナマ文書」問題は、アイスランドの首相を辞任に追い込む事態となりましたが、まだまだ波紋は広がりを見せそうです。絶好の政権批判のチャンスでありながら、共産党等の野党の追及が甘いのは、自らの身内もリストに名を連ねているからとの憶測も流れているようです。

 その一方で、保守系の論客も、この件については、どこか挙動不審の観があります。保守系の政治家等も関与している疑いもあり、もしかしますと、ここでも身内を庇いたい心理が働いているのかもしれません。しかしながら、不都合な事実や不祥事を隠すことが、日本国にとりまして益となるのか、と申しますと、それは違うように思えます。倫理に反する行為を格すこと自体が倫理に反しますので、結果として、日本国の道徳・倫理レベルを下げてしまいます。また、政府による情報隠蔽が許されるようになりますと、回復不可能なほどに国家の腐敗が進むことは、共産主義国家を見れば一目瞭然です。真に、日本国が善き国となることを望むならば、身内の悪にも目を瞑ってはならないはずなのです。

 名誉を守るための隠蔽が、結局は、不名誉な結果をもたらす事例は、古今東西を問わず、枚挙に遑がありません。一時の恥を忍んでも、事実を直視し、将来に向けて改善を図る方が、余程、愛国的な対応ではないかと思うのです。

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