時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

疑惑を深める舛添知事の猿芝居

 舛添知事は、国民をあげての囂囂たる批判をよそに、本人としては”逃げ切り”に成功したと信じているようです。本日も、新聞の紙面には、笑顔でメキシコ市の経済開発長官と面会している写真が掲載されておりました。

 ところでこの面会写真、猿芝居であることは明々白々です。小道具はと申しますと、まずは、知事が手にしている絵画。舛添知事は、敢えて絵画を手にする姿を写真に撮らせることで(絵画は面会相手ではなくカメラに向けられている…)、公用車による美術館めぐりや公費による美術品購入の批判をかわそうとしています。そして、舞台の登場人物はメキシコ市の高官です。この外国からの賓客との面会の構図は、自らが都市外交に熱心に取り組んでいるポーズです。この場面での知事のセリフは、「大使とはよく芸術の話をしている」というものであり、自らが私的な趣味?や資金造りに美術品を購入したのではないことを暗にアピールしているのです。つまり、この一枚の写真は、疑惑を払拭するために知事、あるいは、その側近が演出した”猿芝居”なのです。何故、”猿芝居”なのか、と申しますと、あまりにも見え透いているからです。

 この写真を撮らせた知事の意図は、都民にも一目瞭然なはずです。そしてその反応は、知事の弁明に”なるほど!”と納得するのはなく、”いよいよ怪しい!”というものなのではないでしょうか。後から証拠を捏造しても誰も潔白を信じないように、知事の”猿芝居”は、さらに疑惑を深めたのではないかと思うのです。

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