時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

SEALDsは天安門事件を考えよ

 昨日は、6月4日。忘れもしない天安門事件が起きた日です。27年前のこの日、中国北京の天安門広場は、共産主義の赤ではなく、民主化を求めた多くの若者達の血で赤く染まったのです。

 SEALDsと言えば、共産党との背後関係が取り沙汰されていますが、SEALDsに参加している若者たちは、まさしく天安門事件で散った若者たちと同世代です。共産主義の片棒を担ぐ彼らは、天安門の学生達に何を思うのでしょうか。SEALDsの主張は、共産党と同様に、”如何なる状況にあっても戦争をしてはならない”とする絶対的平和主義であり、たとえ銃口を向けられたとしても、話し合えば解決すると固く信じています。この主張が正しければ、天安門の学生達も、無残に虐殺されることなく、共産党政権との円満な話し合いで、民主化、並びに、自由化を達成できたことでしょう。しかしながら、中国共産党は、話し合いの道を拒絶し、武力で若者達を踏みにじる決断を下します。この冷血極まりない決断こそ、一党独裁を以って中国を支配する共産党政権の恐ろしさの本質なのです。

 天安門事件は、中国共産党を相手にした場合、話し合いには、一切、期待できないことを示しています。最後には、武力で解決を図るのが、中国共産党の手法なのですから。SEALDsは、民主化に命を捧げた天安門の若者達が、抑圧下にある中国国民のために、何と戦おうとしたのかを、よく考えてみるべきと思うのです。

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