時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

舛添知事の調査結果公表-司法の抜け道?

 本日、世論の疑惑に応えるべく、舛添東京都知事が任命した弁護士による調査委員会の調査結果が公表されました。舛添知事を交えた調査結果の会見では、”不適切”や”是正が必要”といった言葉はあったものの、違法性は否定されています。

 舛添知事は、報告書の”違法性はない”とする結論に、知事続投を表明しておりますが、果たしてこの事件、こうした幕引きで許されるのでしょうか。調査において違法性の有無が最大の関心事であったように、本来、この問題は、司直が動くべき性質のものです。日本国には、検察特捜部といった機関が存在するにも拘わらず、公式の手続きを経ずに、第三者委員会なるものの結論が、知事の進退の決定要因となるとしますと、日本国では、司法制度が機能していないこととなります。否、知事は、捜査を逃れるための迂回ルートを設置し、刑事責任から逃れる抜け道にしようとしているようにも見えるのです。言わば、知事は、”偽司法制度”を設けることで、自らを無罪に導いているのです。

 日本国の統治制度を守るためにも、舛添知事の問題は、検察による正式な手続きに付すべきです。起訴すべきか否かの違法性の判断は、弁護士となった元検察官ではなく、強制捜査権を有する検察の仕事なのですから。第三者委員会の初めに結論ありきの調査結果では、日本国民の大多数が納得しないのではないでしょうか。

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