時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北海道男児置き去り事件-尾木氏は批判されるべき?

 北海道の七飯町で起きた男児置き去り事件は、6日ぶりに陸上自衛隊駒ヶ岳演習場内で行方不明となっていた男児が発見され、一先ずは、安堵感が広がることとなりました。この事件に関連して、男児の父親を批判していた尾木ママこと尾木直樹氏のブログが炎上しているとの記事が報じられております。しかしながら、氏は、批判されるべきなのでしょうか。

 当事件につきましては、男児の服装や置き去り時の状況に関する父親の発言は一貫性がなく、当初から、ネット上では父親を怪しむ声に溢れておりました。仮に、最初から、誠実で正直な証言していたとしましたら、嫌疑がかかることはなかったことでしょう。父親も、不審を招く供述については自覚があるはずです。また、何よりも問題なのは、7歳の男の子を山林に置き去りにしたというその行為です。今般、無事に保護されたことは奇跡に近く、躾が口実であっても、子供の置き去り行為は虐待と見なされても仕方がありません。野生の熊も出没する地域であることが分かっていたとすれば、未必の故意による殺人となりかねなかったのです。父親に対する批判は当然の事であり、この点は、多くの国民も同感するはずです。もう一つの尾木氏への批判は、憶測で犯人扱いするような記事を書くな、というものですが、行方不明事件が解決していない段階では、様々な推理や憶測が飛び交う方が解決を早めます。事実が明らかになれば、嫌疑も晴れ、名誉も回復されるわけですから、未解決段階での推理は、言論の自由の側面からも制約を課すべきではありません。

 この事件については、置き去りにした男児の両親に第一義的な責任があることは明白ですので、尾木氏への批判が湧いているとしますと、どこか不自然な現象のように思えます。この炎上事件こそ、批判の自由を封じたい人々による世論誘導なのではないかと疑うのです。

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