時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

舛添知事問題-都知事の権力私物化に注目を

 湧きあがる批判の声に耳を塞ぎ、あくまでも知事の座にしがみつく舛添東京都知事。そのあまりのしぶとさに、都民のみならず、全国民があきれ返っていますが、知事の執念には、幾つかの要因がありそうです。

 政治資金の使途に関する公私混同問題は、舛添知事が欲望の塊であると同時に、公私の区別がつかない人物であることを示しています。知事が辞職を拒絶する理由もまた、おそらく、知事の公職に対する非常識な姿勢に由来していると推測されます。そして、その原因は、強欲な人間を惹きつけてしまう都知事権限の強さにも求めることもできます。例えば、都所有地の韓国人学校に対する貸与問題は、通常、公開入札制度の下で貸与先を決定すべき事柄です。地方自治法第234条では、
  1. 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札指名競争入札随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。
  2. 前項の指名競争入札随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。
 とあります。随意契約についても、同法の第167条の2で条件が付されていますが、本件に、随意契約とすべき正当な理由があるとも思えません。少なくとも、都の共有財産が、都知事の一存で処分できる現状は、強欲な人物が都知事の座を狙う要因ともなります。しかも、舛添知事の任期には、東京オリンピック利権も手にすることができるのですから、利権漁りを目指す人物、並びに、その支援者にとりましては、またとない蓄財のチャンスです。

 第二、第三の舛添知事の出現を防ぐためにも、都の権限に関する抜本的な見直しが必要なのではないでしょうか。権力の私物化がいとも簡単に起きてしまう都政は、舛添知事を生み出す温床ともなっていると思うのです。

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