時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

二重国籍問題-世論調査は信頼できる?

 日本テレビ系のNNNが世論調査を実施したところ、民進党村田蓮舫代表への期待が54%にも上ったそうです。この数字には既に疑問の声が上がっており、同記事を掲載されたサイトのコメント欄では、世論調査の結果を疑問視する意見が、肯定的な意見の凡そ20倍にも上っています。

 この調査においてさらに怪しい数字は、政治家の二重国籍を問題視するとした回答が、わずか14.6%に過ぎないことです。一般の二重国籍者以上に、公務員の二重国籍には、外国からの内政干渉売国行為のリスクがありますので、常識的に考えれば、90%以上の人々がリスクを認識していてもおかしくはありません。しかも、村田代表の場合には、台湾籍の人々には中国の国籍法が及ぶといった発言もしており、事実上、台湾との二重国籍というよりは、中国との二重国籍のリスクを抱えています。世論調査を信用すれば、問題視した14.6%以外の凡そ85%の人々が、政治家の二重国籍を認めることとなりますが、中国、韓国、北朝鮮、並びに、ロシアといった、反日政策を実施していたり、領土に関する問題を抱える国との二重国籍でも問題はないと言えるのでしょうか(実際に、台湾も、尖閣諸島の領有権は主張している…)。

 加えて、この世論調査の設問では、日本国の国籍法においては二重国籍が認められていないことにも触れていません。政治家どころか、二重国籍自体が、法律上の問題なのです。この点、NNNは、あたかも二重国籍が違法ではないかのような印象を与えておりますが、世論調査における回答の如何に拘わらず、法的には100%”問題あり”なのです。

 今日、ネットの時代と言われながら、ネット上の世論とマスコミ等の世論調査上の意見が、著しくかけ離れている現象がしばしば見られます。NNNの世論調査についても、”どこの国民に聞いたのか?”とする批判も見られますが、誰もが怪しむ数字ですと、世論調査そのものの信頼性を損ねることになるのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。