時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政治家の本名外立候補問題-選挙人名簿と一致を

 民進党村田蓮舫代表の二重国籍問題は、国籍のみならず、氏名の二重性の問題をも提起することとなりました。公職選挙法からしますと、芸名や通名による立候補は、違法の可能性さえないわけではないようなのです。

 国民による選挙権の行使に際しては、投票所の受付において、選挙人名簿に記載されている人物と同一であるのか、厳格にチェックされます。もちろん、選挙人名簿には、戸籍上の本名が記されており、同名簿には、芸名や通名が記載されることはありません。ところが、被選挙権の行使については、奇妙なことに、選挙人名簿との不一致が許されている現状があります。

 公職選挙法では、立候補の届け出として、(1)氏名、(2)本籍、(3)住所、(4)生年月日、(5)職業・・・を記した文書を提出しなければならないとされています。ここで疑問となるのは、”蓮舫”代表のように、名前だけでの立候補届け出が可能であるのか、公文書の氏名欄に戸籍記載以外の偽名を使用してもよいのか、そして、仮に、立候補の届け出は本名であっても、実際の選挙や政治家として活動にあっては別名であってもよいのか、とった諸点です。公職選挙法では”氏名”と明記していますので、名前だけでの届け出や偽名では違法となりかねませんし、立候補の届け出の際に公式に記した氏名と選挙用ポスター等で使用される氏名とが違っている場合にも、法的な候補者認定の一貫性において問題が生じます。

 何れにいたしましても、選挙人名簿とは、有権者名簿、即ち、参政権を有する国民の氏名を記した公式な文書なのですから、選挙権のみならず、被選挙権においてもこの名簿に記された戸籍上の本名を使用すべきなのではないでしょうか。日本国の政治の弛緩は、国民に対する情報開示の弱さにもあり、本名を名乗らない、あるいは、隠している政治家にも原因があるように思えるのです。

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