時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

危険すぎる”二階流外交”-権力の私物化

 本日の産経新聞には、”二階流地球儀外交”なる記事が掲載されておりました。自民党の二階幹事長は、本日から訪印し、モディ首相とも会談するそうですが、氏の活動は、権力の私物化なのではないかと思うのです。

 二階幹事長と申しますと、大訪中団を組織して習近平主席とも会談したことで知られていますが、氏の活動は中国に留まらず、インドネシアベトナム、トルコ、ネパール、並びに、ブルネイとの間の友好議員連盟の会長を務めているそうです。しかも、経済産業相時代に国際的な活動の基盤を造ったらしく、記事には、「政府や企業が何かアクションを起こそうとすれば二階氏の人脈に当たる」とする政府関係者の談も掲載されていました。このことは、氏が、経産相の立場を利用して、海外において個人的な人脈を広げ、様々な利権を押さえてきたことを示しています。訪問先では、訪問国の要人や経済団体の幹部とも会談しているそうですので、こうした機会を捉えては、インフラ事業等の情報や利権を得ていたのでしょう。その際には、氏が何らかの便宜を図ったことは想像に難くありません。

 二階幹事長は、自らへの批判に対して”国益だ”と主張しているそうですが、公職にあって経済関係の利権を漁っていたとしますと、それは、”私益”と見なさざるを得ません。二階幹事長の”二階流外交”が、旧態依然とした利益誘導型の利権政治の国際版であるとしますと、双方の国民にとりましては、極めて危険な政治家であると思うのです。

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