時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政党政治の神髄はフェアな競争

 連立政権を組んでおります自民党公明党は、選挙においても協力関係を築いています。お互いの支持団体や支持母体の票を、選挙区と比例代表とで融通し合うというもののようです。しかしながら、この選挙協力は、政党政治が競争秩序のもとにあることを考えますと、おかしなことのように思われるのです。

 そもそも、普通選挙制度とは、国民の政治的自由の保障を基盤として、国民自らが政治的選択に参加する権利を具体化する制度として設けられています。この側面を考慮しますと、政党が、党利党略から、有権者に対して投票支持行うことは、国民の政治的権利の侵害にあたると考えられるのです。〇政党の支持者は、×政党への投票を強いられるとしますと、これは大いに問題です。

 そうして、政党間の選挙協力は、政党政治が、政策(公約)をめぐって支持を争う競争であるとしますと、一種の政治的な”カルテル”や”談合”に当たる行為となるかもしれません。一部の政党間で共謀することによって、公正であるべき競争をゆがめ、結果として他の政党に不利益を与えてしまうからです。

 政党政治とは、政党間でフェアな競争が行われて、はじめて健全に機能します。今度の参議院選挙におきましては、何れの政党も、ぜひ、フェアな競争を心がけていただきたいと思うのです。