時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

野党の戦法は”首狩り族”?

 選挙の投票日が近づくにつれて、野党は、毎回、ある同じ行動パターンを繰り返しているように思われます。それはどのような行動かと言いますと、政府与党の閣僚の中で、最も弱点を持つ人物を見つけ出し、これに集中攻撃をかける、というものです。辞任にまで追い込みましたら首尾は上々、”敵の首はとった”、ということになるのでしょう。

 しかしながら、こうした”首狩り戦法”は、何か、原始時代の風味がして、現代国家の選挙戦法にはふさわしくないように思われるのです。現代の選挙においては、長期的な視野に立って立案された政策をめぐって、政党間の競争が行われます。現在、野党が行っている即時的な辞任を勝機とするような戦法は、国民にとりましては、本来の政策上の論点をぼかし、目くらましとなってしまう可能性さえあるのです。

 そろそろ、日本国の政党も、原始的な戦法は止めて、国民の前で堂々と政策論争を展開して欲しいものです。