時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

若者が希望をもてる総裁選を

 今回の自民党の総裁選挙は、果たして、若者が日本の将来に希望を持てるようなお手本を示しているのでしょうか。何かを競う場合、はじめから勝つ人が決まっていたり、一方だけに有利なルールであったり、権力のある人が特定の人だけを応援したのでは、誰もが、不公平感を感じて、競争に参加する意欲を失ってしまいます。

 現代社会とは、否応なく、何らかの場面で、競争に参加するものです。競争の結果が、可能な限り万人に受け入れられるためには、参加者全員が、平等の立場に立って、フェアなルールの下で競わなくてはなりません。翻って、今回の総裁選挙を見てみますと、日本の社会が、不公平であって、権力に追従する人や流される人に満ちていて、反対すれば陰湿にいじめられそうな、厭な社会であるというイメージをもたらしているように思えるのです。これでは、若者が、希望を持つことは、到底できそうにありません。

 日本の社会が、競争がフェアに行われており、自分自身の実力を発揮できる社会であることを、大人達が示してこそ、若者たちは、将来に希望を持って、頑張って生きてゆけるのではないでしょうか。自民党には、率先して、お手本を示していただきたいと思うのです。