時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

派閥ではなく国民のために首相を

 今回の自民党総裁選挙では、密室での談合のごとく、8派閥が揃って早々に福田氏を支持しました。こうした派閥政治には、民主主義を歪める大きな危険性があります。

 そもそも、国会議員とは、各々の選挙区から選ばれた国民の代表であって、立場としては皆平等です。ところが、一端、派閥に所属してしまいますと、派閥内部の力学が働いて議員の間で上下関係ができてしまうのです。もし、決定権が派閥のトップにあるとしますと、他の所属議員の政治的な権限は”無”に等しいことになります。これでは、選挙区の間に政治力の差が生じてしまい、一票の価値の平等を原則とする民主主義を大きく歪めてしまうことになりましょう。

 明日の総裁選挙に際しては、自民党所属の議員の方々には、派閥の意向ではなく、民主主義の原則に従い、国民を代表して、日本国の首相にふさわしい適任者を選んでいただきたいと思うのです。